・ワイルドカードは知っているけど、いまいち活用法が分からない
このような疑問をお持ちの方へ。
この記事では、ワイルドカードとは何かをはじめ、「*」「?」「~」の意味や使い方を分かりやすく解説します。
また、条件付き書式・COUNTIF・検索・置換・XLOOKUPなど、ワイルドカードが使える主な機能を一覧でまとめています。
一度覚えてしまえば、Excelのさまざまな機能で応用できます。この記事を読み終える頃には、「こんな場面でも使えるんだ!」と感じていただけるはずです。
ワイルドカードとは?
ワイルドカードとは、文字の一部が分からなくても検索・判定できる便利な記号のことです。Excelでは、条件付き書式やCOUNTIF関数、検索・置換など、さまざまな機能で利用できます。
ワイルドカードには、次の3種類があります。
| 記号 | 意味 | 例 |
| * | 文字の前後に付けて使う | *りんご |
| ? | 分からない1文字を表す | A?C |
| ~ | 「*」「?」を記号として検索する | ~* |
ひとつずつ見ていきましょう。
① *(アスタリスク)
一番よく使われるワイルドカードです。
「*」をどこに付けるかによって、「前方一致」・「後方一致」・「部分一致」を指定できます。
【ワイルドカードの基本的な使い方】
| 前方一致 | 後方一致 | 部分一致 | |
| ワイルドカード 使用例 |
りん* | *りん | *りん* |
| 一致する
文字列の例 |
りんご | ふうりん | りんご ふうりん しんりんよく |
【判定方法】
・「りん*」……「りん」で始まる文字列
・「*りん」……「りん」で終わる文字列
・「*りん*」……「りん」を含む文字列
② ?(疑問符)
「?」を使って、任意の1文字と置き換えができます。
たとえば1文字だけ分からないときは「?」を使うと便利です。
【ワイルドカードの基本的な使い方】
| ワイルドカード | 一致する文字列 | ||
| A?C | ABC | A1C | A-C |
| ?田 | 山田 | 吉田 | 岡田 |
| 商品?? | 商品AB | 商品12 | 商品5X |
【判定方法】
「?」は、任意の1文字を表すワイルドカードです。
分からない文字が2つあるときは、「??」を使用しましょう。
■ A?C……A□Cに一致するか?
→ ABCは一致。ACD、AC、ABBCは一致せず。
■ ?田……□田に一致するか?
→ 山田は一致。山本は一致せず。
■ 商品??……商品□□に一致するか?
→ 商品ABは一致。商品A、商品ABCは一致せず。
③ ~(チルダ)
「~」は、記号を検索するときに使います。
使う機会はそれほど多くありませんが、「*」や「?」を文字として検索したい場合に役立ちます。
たとえば「*」をそのまま検索するとワイルドカード扱いになり、ほとんどすべての文字列が検索に引っかかってしまいます。
そこで「~*」と入力すると、「*」のみを検索することができるようになります。
ワイルドカードが使える機能と活用例
ワイルドカードは、さまざまな機能で使うことができるため、とても便利です!
よく使用される機能を知って、さらに便利に使いこなしましょう。
今回は、よくあるアパート名の表を例にご紹介します。
ワイルドカードが使える機能一覧
| 機能 | できること(一例) |
| 検索・置換 | 「フローラ」で始まるデータを検索する |
| フィルター | 「メゾン」で終わるデータを検索する |
| 条件付き書式 | 「フォレスト」を含むセルに色を付ける |
| COUNTIF | 「空室」を含むセルを数える |
| COUNTIFS | 複数条件で数える |
| VLOOKUP
XLOOKUP |
一部だけ分かる文字で検索する |
| MATCH | 部分一致で検索する |

次のパートで、ひとつずつ見ていこう。
IF関数については、よくある質問にまとめているよ!
① 検索・置換
便利なのに意外と使われていないのが、「検索」するときのワイルドカード。
検索方法を少し工夫するだけで、目的のデータを見つけやすくなります。
ただし「置換」はおすすめできません。
詳しくは、後述の「置換」をご覧ください。
■検索
検索時は「Ctrl+F」を使うと便利です。
ふつうに「フローラ」と検索すれば、「フローラ」を含むすべての物件が検索されてしまいますが、
「フローラ*」と検索すれば、「フローラ」から始まる物件だけがヒットしてきます。
もうひとつ、例を出します。
リストでは「ロイヤル」と「ローヤル」が混ざっています。
これらを同時に検索したい場合には、「?」が役立ちます。
検索にかけていた手間が、大きく変わると思います。
ぜひ役立てて下さい。
■置換
置換でワイルドカードを使うのは、正直おすすめできません。
理由は以下のとおりです。
仮に「メゾン」から始まる建物のみ「★メゾン」に変更したい場合、
次のように入力すると
置換結果がこのように、すべて「★メゾン」に置き換わってしまいます。
「メゾン」部分だけを置換してくれないのですね。
ワイルドカードは、置換よりも検索で使うほうが実用性がありそうです。
② フィルター検索
実はフィルターの「検索」でもワイルドカードが使えます。
これは本当に便利ですので、ぜひ覚えておきましょう!
たとえば「メゾン」で終わるアパート名を調べたい場合、
「*メゾン」と検索すれば、該当のアパート名だけが表示されます。
もちろん、それでも探せます。
しかし件数が多くなるほど、探すのは大変です。
試しに「メゾン*」と検索した場合をご覧ください。
このように候補だけが表示されるため、とても見つけやすくなります。

フィルターとワイルドカードは相性抜群!
データが多いほど便利になるよ
③ COUNTIF・COUNTIFSで使う方法
COUNTIF
「COUNTIF」は、条件に合うデータの数を数える関数です。
たとえば「フローラ」で始まる建物の数を調べるためには、
という数式を利用します。
これをリストにあてはめると、フローラから始まる建物は3つあると分かります。
COUNTIFS
「COUNTIFS」は、COUNTIFと同じように扱えますが、条件を複数選べます。
たとえば「中央町」にある空室の件数を調べるには、
という数式を使います。
これをリストにあてはめると、中央町で空室がある建物は3つと分かります。
④ 条件付き書式で使う方法
前パートの「COUNTIF」では、条件に一致するデータの数を数えました。
でも、ただ個数が表示されるより、該当したデータに色が付くと分かりやすいと思いませんか?
実は「COUNTIF関数」を使えば、条件付き書式で「フローラで始まる」「メゾンで終わる」といったデータに色を付けることができます。
ここでは、次の3パターンに条件付き書式を設定してみます。
・前方一致(フローラ□□)
・後方一致(□□メゾン)
・部分一致(□□フォレスト□□)
条件付き書式の設定手順
❶ 色を付けたい列を選択し、上メニュー「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールの管理」をクリック。
❷ 新規ルールをクリック。
❸「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択 → 数式を入力 → 書式をクリック。
❹ 塗りつぶしの色を選択。
❺ プレビューを確認し、問題なければ「OK」をクリック。
❻ 適用範囲は必要に応じて変更できますが、今回はそのままでOKです。
❼ 同じ手順で「前方一致」「後方一致」「部分一致」の設定を行うことができます。
前方一致
例として、「フローラ」で始まる建物に色を付けてみます。
数式は次のようになります。
「*」の位置に注意しましょう。
上述の手順に従って設定を行うと、下記のように色がつきます。
後方一致
例として、「メゾン」で終わる建物に色を付けてみます。
数式は次のようになります。
「*」の位置に注意しましょう。
部分一致
例として「フォレスト」を含む建物に色を付けてみます。
「フォレスト」という文字が含まれていれば、位置は関係ありません。
数式は次のようになります。
「*」の位置に注意しましょう。
上述の手順に従って設定を行うと、下記のように色がつきます。
「*」の位置を変えるだけで、前方一致・後方一致・部分一致を使い分けられます。
用途に応じて使い分けてみてください。
【関連記事】
★条件付き書式でワイルドカードをもっと活用したい方は、こちらの記事もどうぞ
・複数セルへまとめて設定する方法はこちら
・AND・ORや部分一致を組み合わせる方法はこちら
・OR関数を使った実践例はこちら
VLOOKUP・XLOOKUPを使う前に知っておきたいこと
VLOOKUP・XLOOKUPでワイルドカードは使えるのか?
VLOOKUP・XLOOKUPで
ワイルドカードを使って
検索結果を表示させたい。
このような希望がある場合、次のような一覧を表示したい方も多いのではないでしょうか。
ところが、実際にはこのような結果になります。
一致したデータが複数あっても、一番上のデータしか取得できません。
ここで使っている数式は、こちらになります。
つまり「VLOOKUPでワイルドカードを使って検索する」ことは可能です。
しかし、取得できるのは条件に一致した最初の1行だけです。
そのため
・条件に一致するデータをすべて表示したい
・一覧で確認したい
という用途には向いていません。
一覧表示したい場合はFILTER関数を使おう
ここではVLOOKUP・XLOOKUPに代わる方法を、簡単にご紹介します。
画像の一覧は、FILTER関数を使用しています。
この関数を使うことで、一致したデータがすべて表示されます。
※詳細については、後日別記事にてご紹介予定です。
FILTER関数は、Excel2021から使えるようになった、比較的新しい関数です。
そのため、それ以前のバージョンではFILTER関数による対処ができません。
そこで旧バージョンのExcelでも対処できるよう、COUNTIF、SMALL、INDEXを組み合わせて使う方法があります。
この方法なら、FILTER関数を使ったときと同じ結果を表示することができます。
※詳細については、後日別記事にてご紹介予定です。
VLOOKUP・XLOOKUPでもワイルドカードは利用できますが、用途によっては他の方法のほうが便利な場合もあります。やりたいことに合わせて、最適な方法を選んでみてください。
よくある質問
ワイルドカードについて、よくある質問をまとめました。
はい。バージョンに関係なく使用できます。
ただし、FILTER関数など新しい関数は、旧バージョンでは利用できません。
「*」は、文字の前後に付けて使います。
【例】
フローラ* … 「フローラ」で始まる文字列
*メゾン … 「メゾン」で終わる文字列
*フォレスト* … 「フォレスト」を含む文字列
「?」は、分からない文字が1文字だけあるときに使います。
ロ?ヤル … 「ロイヤル」「ローヤル」
「*」や「?」を、そのまま記号として検索するときに使います。
できません(条件に一致した最初の1件だけが表示されます)。
一覧で表示したい場合には、FILTER関数がおすすめです。
IF単体では使えませんが、COUNTIFやSEARCHなどと組み合わせて利用できます。
はい、数字にも使えます。例えば「12*」と指定すれば、「12」で始まるデータを検索できます。
ただし文字列として扱われることが多いため、数値になっている場合は注意が必要です。
あります。
EXACT関数、FIND関数などは一切使えません。
また、IF関数のように単体では使えず、他の関数と組み合わせて利用するものもあります。
まとめ
ワイルドカードは、「*」「?」「~」を使って、文字の一部が分からなくても検索や判定ができる便利な機能です。一度使い方を覚えてしまえば、検索・フィルター・COUNTIF・条件付き書式など、さまざまな場面で活用できます。
また、VLOOKUP・XLOOKUPでは複数の結果を表示できないため、一覧表示したい場合はFILTER関数などを使うのがおすすめです。
まずは「*」を使った「前方一致」「後方一致」「部分一致」の3つを使い分けることから始めてみてください。
慣れてくると、Excelでデータを探したり整理したりする作業が、今までよりずっと快適になりますよ。
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