アンジェリーク……
それは現代において、群雄割拠の様相を呈する乙女ゲーの元祖である……たぶん。
たぶん、というのは私がこれ以外に乙女ゲーを知らないからである。
視点を変えれば、そんな私でも知っているほど名の知れたゲームであると言えるだろう。
実は数年前に一度だけプレイしたことがあり、その時の私の感想は
「クリアのために、男の協力が必要不可欠なゲーム」
「恋愛ではない恋愛要素をからめた女のバトル」
であった。
いや、正直なところ、今回プレイするまでそう思い込んでいた。

……違ったのか!
正直、びっくりである。
ネオロマンスゲームの名は伊達ではなかった!
私の方こそ全然やりこんでいないエセゲーマーだった。
これでアンジェリークを語れる気でいた自分が恥ずかしい。
思っていたより、ずっと中身が濃い味だったアンジェリーク。
何をもってそう言わしめるのか、ぜひ暗澹たるスープの中身を見ていただきたい。
アンジェリークの目的
アンジェリークは、想定外にスケールの大きい物語である。
はじまりは宇宙。
そしてこの顔を隠したお方は、全宇宙を統括する女王陛下。
その名もアンジェリーク。
いま、彼女が愛をささげる宇宙は死にかけている。
そのため、新たな宇宙を司る女王の誕生が急がれていた。
そこで彼女が発案したのが
「新女王を決定するために候補を競わせよう!」
である。
そして、二人の候補が選ばれた……。
人物紹介
女王候補生
では、女王候補である二人の女の子をご紹介しよう。
本作ヒロインであるアンジェリークと
そのライバルである典型的な高慢お嬢様ロザリアだ。
実に “古きよき少女マンガ” を叩き台にしており、
「美人なご令嬢より、なぜか一見平凡な女の子のほうが男にモテる」
を地で行く地雷ストーリーを早くも感じさせるが、事実その通りの物語である。
余談だが、アンジェリークはマリアに似ている気がする。
守護聖
さて、贄となる男性陣は全員で9人。
彼らはそれぞれ異なる属性をもつ「守護聖」であり、女王を助ける立場にいる。
一応、紹介しておくと……
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| 光 ジュリアス |
闇 クラヴィス |
風 ランディ |
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| 水 リュミエール |
炎 オスカー |
緑 |
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| 鋼 ゼフェル |
夢 オリヴィエ |
地 ルヴァ |
ツッコミどころは色々あるが、とりあえずプレイ中に困ったのはランディとオスカーが同じ人物に見えることと、名前を見てすぐに顔が浮かばない(誰これ?となる)ことであった。
その他の人物
ディア……女王補佐官。
おそらく現女王の候補時代の同期生。
パスハ……王立研究院の責任者。
別の星から来た。
サラ……占い師。
別の星から来た。
クリアするために
勝者判定
まず最初に、何をもって「勝者」となるのかを説明しよう。
アンジェリークとロザリアが任された惑星には、上下反転した対称の大陸があり……
赤・アンジェリークのスタート地点
青・ロザリアのスタート地点
となる。
お互いの大陸に建物を建て、人口を増やし、最終的に二つの大陸の真ん中にある島に先に建物を建てた方が勝者=次期女王だ。
実際に大陸を訪れるとこんな感じ。
アンジェリーク・スタート地点
中央の島。
ここに建物を建てれば勝ち!
建物を建てる方法
では、どのようにして建物を建てるのか?
ここで登場するのが、9人の守護聖だ。
大陸の民から「〇〇が欲しい」と要望があるので、
それに応える力を持つ守護聖に依頼する。
するとターン終わりに力を使ってくれて……
建物ができる!
基本はこれを繰り返すだけのシンプルなゲーム。
しかし守護聖も人間(?)なので、好感度が高まっていくと勝手に手助けしてくれたり、ライバルの妨害をしたりするのだ。
よって、守護聖と仲良くなるのは勝利への近道。
これを恋愛要素と結びつけ「シミュレーションゲーム」として確立させたあたり、かなり良くできていると思う。
守護聖と仲良くなるには?
基本は「育成」だが……
とにかくこのゲームにおいて重要なのが、守護聖と仲良くなること。
ゲーマーとして私個人の感想でいうと、「育成」(建物を建てる力を使ってもらう)だけでかなり好感度が上がっていくと思う。
育成で好感度アップ?と思うかもしれないが、これは恋愛要素としても「アリ」で、なぜかというと好感度が上がれば上がるほど、守護聖たちは頼られると喜ぶからである。
現実世界で、好きな女の子に頼られた男が本領発揮するのと同じだ。
よって「建物を建てることもでき、好感度も上がる」育成が一番効率的なのだが、育成ばかりをしていられない理由がある。
それは「誰かが訪ねてきた」場合である。
もちろん「無視する」「断る」の2段階の構えで、相手の誘いを拒否することはできるのだが……
好感度がクリアに直結していると思うと、簡単に断れない(断って好感度が下がるのが怖い)という実情がある!!
だから当然こうなる。
この「お誘い」を受ける上で気に留めておきたいのは、どういう選択をしようとライフがすべて失われる=その日の行動は終了となること!
もっと分かりやすく言えば、好感度を優先したがために育成ができないというわけだ。
しかも(向こうから誘ってきたのに)デート失敗することがある。
もう色々と怖い……。
よって、守護聖の好感度を上げるためには「育成に重点を置きながらも、デートを成功させる」必要がある。
……のだが、今回とんでもないことに気づいたので紹介しておく。
判明した悪夢・公園デートいう魔窟
アンジェリークでは、デートの方法として
・外に出かける
・部屋でおしゃべり
の2種類がある。
そして「外に出かける」では、さらに
・公園
・森の湖
から選択できる。
この公園が、プレイヤー殺しなのである!
公園に行くと散歩することになり、その時のコース&質問は次のとおりである。
・ベンチ前 [あの二人が羨ましいか]
・神鳥の像 [どちらにアドバイスを受けたいか]
・高台 [育成大陸の現状について]
・女王の像 [女王候補は大変か]
・神鳥の像 [歩き疲れたか]
これらの質問は固定回答だと思っていたので、もちろん私はゲーマーの血に従い表を作成した。
| ベンチ | 話を聞くとしたら? | 女王候補は大変? | |
| ジュリアス | はい | オスカー | はい |
| クラヴィス | いいえ | リュミエール | いいえ |
| ランディ | はい | マルセル | いいえ |
| リュミエール | はい | クラヴィス | はい |
| オスカー | いいえ | ジュリアス | はい |
| マルセル | いいえ | ルヴァ | はい |
| ゼフェル | いいえ | ルヴァ | いいえ |
| オリヴィエ | はい | ジュリアス | はい |
| ルヴァ | いいえ | マルセル | いいえ |
実際、何度か検証を行い、これらの回答が正確であると信じて疑わなかった。
運要素は最後の「歩き疲れたか?」くらい。
そして全ての質問に正しく答え、公園の全ルートを踏破すると、アンジェリークのセリフが下記のようになり相手の好感度が爆上がりする。
そう思っていた……。
……ところがである。
え”っ!?
リュミエールが「はい」の回答で不機嫌に!!

……固定じゃ……ないのか
これは私にとって、このゲームの根底を覆すくらいの大事件だった。
時間をかけて調べたことが、すべて間違っている可能性が出てきた。
それからさらに時間をかけ、何度も繰り返しパターンを調べてみたところ……。
なんと、リロード後に回答が変化するということが判明。
さらには(根拠はないのだが、繰り返し試みた結果)これは完全なランダムではなく、好感度によって回答Aの発生確率〇%、回答Bの確率〇%と変化するようだということに気づいた。

……え?
アンジェリークってもしかして運ゲー?
なんということなのか!
アンジェリークが運ゲーだと判明した今、この公園デートは猛獣が牙をむくイベントとなった。というのも、二択回答が5回もあるせいだ!
アドバイスを受けたい人物や、大陸の現状はまだ調べようがあるからいい。
けど、その他の質問すべて運が絡んでるんだとしたら、据え置きの筐体でやるの無理すぎんだろーが!!なんだこの「女の子向けの外面なのに中身が鬼畜」仕様!
恋愛要素とエンディング
もう一つのエンド
ネオロマンスとは何か?
それは……全然わからないッ!!
しかしこのアンジェリーク、ゲーム界の新しい分野を切り開いたことは揺るぎない事実である。
さて、私は今までこれは「女王になるためのゲーム」だと信じて疑ったことがなかった。
実際問題として、女王になる少女と、将来の家臣が恋愛するはずがない。女王試験に必要だから仲良くなるだけで所詮は一時的な感情、疑似恋愛にすぎないと思い込んでいた。
自分で言うのもなんだが、「世界一純粋な乙女ゲープレイヤー」だと思う。
だから下記のセリフが表示された時、驚いたなんてもんじゃなかった。
告白!?
このゲーム、告白要素あったの!!?
もう違う意味で心臓ドキドキ!
え、マジ?
これどこまで本気イベント?
……と、まだ疑っていた。
これ、告白したらどうなるんだ?
いやいや、ヒロインが告白なんて、もう即座に結ばれるやつだろ。
……そう思っていたら、
フラれた!?
何だこのゲーム!
自分が告白したわけじゃないけど、それなりに傷ついた。
しかしそこはアンジェリーク。
前述のとおり、すでにリロードで回答が変わることは確認済みである。
……すると……
えっ、そういうことになるの!?
ここで葛藤する。
私の中で、つい先ほどまで「これは女王になるためのゲーム」だと信じて疑わなかったため、とっさにこう思った。
これ、好きな人と結ばれてもバッドエンドなのでは……?
……いや、本当に終わるのか?
だって女王を諦めたら、クリアじゃないわけで……。
Fin
……本当に終わった。
真のエンド
一体何が真のエンドなのか、もう私にはわからない。
というより、アンジェリークがマルチエンディングだと知ってショックを受けていた。
でも、ゲームは最後までまっとうしよう。
それがゲーマーの矜持である。
中央の島に、ついに建物が建った。
そして新しい世界に、滅びゆく世界の命が渡され……
アンジェリークは新宇宙の初代女王に即位した。
130日!
長かった……。
いや、長かったのは色々検証していたからかもしれない。
ちなみにアンジェリークは守護聖の好感度があがってくる後半、ポンポン建物が建つようになり、かなり進行が速くなる。
大変なのはそれに至るまで……前半~中盤にかけてだ。
企業も立ち上げ時から数年が大変なので、そこはかとないリアリティがある。
しかし、別エンドを知ってしまった今、そしてアンジェリークが「ネオロマンス」である真の意味を知った今、これもまた一つのエンドにすぎない。
エンドの数は、おそらく守護聖の数だけあるはず。
アンジェリークをクリアしても、まだまだ終わりがあるわけではない。
これほどやりこみ要素があるとは思わなかったアンジェリーク。
しかし、楽しかった。
集めていないセリフをまだまだ集めたいというゲーマー意欲をかきたてられる作品だった。
私の旅もまだまだ続く……のかもしれない。










































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