「無人島物語」
1996年1月26日にスーパーファミコン用のソフトとして発売されたこのゲームは、サバイバルライフ・シミュレーションというサブタイトルがついている。
それはまさに極限状態まで自らを追い込むような物語……
……では、全くない!
むしろ「無人島生活を楽しんじゃおうぜ!」というコンセプトの元に制作されたとしか思えないイベントが盛りだくさんである。
さすが元R指定
陽気な音楽と共に映し出されるタイトル画面。
ちなみに ▲ これが島の全景。
さて、一体どんな物語が待ち受けているのだろうか?
オープニング
夜間、雲の上をゆったりと飛ぶ飛行機……。それはいつも通りのフライトのはずであり、何かを予感させるような事態も起きてはいなかった。
「これだけ暇だと退屈ですね。なにかこうぱぁーっと忙しくなるような事ありませんかねえ」
定時交信を終えた副機長が軽口をたたくほど、のんびりとした空気だ。
だが、事態は突如として急転した。
原因不明のエンジントラブルにより現状高度を保てなくなったのだ。
緊急放送が機内に流され、機長は海面への胴体着陸を試みる。
機長「全員ショックに備えろ!来るぞ!!」
そして……。
目覚め~無人島生活のはじまり
「うーん……ここは?」
主人公が目を覚ますと、目の前には明るい海岸が広がっていた。
ようやく自分の身に起きたことを思いだす。どうやら命だけは助かったらしい。
「さて、これからどうするか」
あたりを見回した主人公の目に映ったのは、
ボロボロになった救命ボート!
しかしもちろん誰が乗っているわけでもなく、大声でまわりに呼びかけても返答はない。
改めて自分が「遭難」したという事実を認識する。
念のためボートの中を覗くと、
緊急時用の保存食と飲料水のほか、ナイフとドライバーを手に入れた。
また、壊れてはいるもののSESを発見。
じつはこのSES、のちに島を脱出する際に必要になるかもしれない大事なアイテムだ。
「かもしれない」というのは、この無人島物語には幾つもエンディングが用意されているので、選択によっては必要ないこともある。
最後に壊れたゴムボートを拾い、
意外と冷静な主人公。
「クヨクヨしても始まらないか! まずは今夜のねぐらを用意しなきゃな」
自分を鼓舞し、たちまち行動開始。
まずは流木を発見、さらにはバナナの葉(ついでにバナナ)をもぎとると、「さあ材料はそろったし、でっかい夏休みの工作に取りかかるとするかな!」と意気軒高。
一般人がひとりで建てたとは思えないメインキャンプが完成。
どうなってんだ、この主人公。のこぎりも持ってないのに。材木は素手で叩き割ったのか?
「今日からここが俺の家か」じゃないよ。適応力ありすぎだろ。
今ここに 令和 平成のロビンソン・クルーソーが爆誕した。
その夜、さすがに疲れと共に不安が出てきたのか
「まさか他のみんなは救助されて、自分ひとりがこんなところに取り残されたんじゃ……」
という思いが頭をもたげるも、
SAN値はすぐに回復!
このポジティブさ、見習いたいものである。
基本の操作
私は今回なんの予備知識もないまま初見プレイに挑んだのですが、記事を読むうえでも知っておいたほうが分かりやすいので簡単に説明します。
「組み込み」をしよう
まず、行動するためには「水」と「食料」が必須!
そのためには「組み込み」といって、必要物資を補充する必要がある。
一回行動するごとに「水」と「食料」が(必要に応じて「燃料」も)消費されていくので、切らさないように気を配って補充していこう。
組み込みの仕方
➊ 樽の上に指(カーソル)を合わせると「組み込み」と出るので、Aボタン
➋ 左上に「水」「食料」「燃料」の表示が出る。今回は水をAで選択。
➌ 手持ちの水は「緊急用飲料水」だけなので、これを選択し、組み込み数を十字キーで入力。
➍ 手持組み込み数が100増え、残数が1減った。
食料や燃料についても、組み込みの方法は全く同じ。
ただし組み込むアイテムによって数が変わるので、よく考えて補充しよう。
特に食料と燃料は、この島のアイテムを取り尽くしてしまったら終わりです!
一日の「行動」を決めよう
Bボタンを押すと、下の画像のようにメニューが表示される。
一番上にある「行動」で、毎日なにをするかを決定。この「行動」は、次の3つから選択できる。
ただし現段階では「調査」も「作成」もできないため、必然的に「探検」を選ぶことになる。
探検を選ぶと、キャンプの外(島の様子)が表示される。
このうち、黒い部分が未知の領域……まだ何があるか分からない場所だ。
どこを探検するか?と聞かれるので、範囲を指定。
白く囲んだ箇所が、今回探検できる場所になる。
よくばって「もっと広い範囲を」と思っても、表示が赤くなって選択できないようになっている。
▲ 赤くなってしまったら×。白い範囲まで狭めよう。
ステータスアップに従って選択範囲はどんどん広がっていくので、最終的にはかなり広範囲を探検することができる。
よければAで決定。1日かけて探検だ!
探検を決定すると、自動的にキャンプの中に戻る。
このとき水と食料が減るので確認し、メニューから「GO」を選択。
これで一日の行動は完了!
プレイヤーの操作も完了!
翌日になると探検から戻ってくるので、そのとき「探検の成果」を見ることができる。
今回は「道具」を発見。
見つけたら手に入るわけではなく、今はまだ行えない「調査」が必要となる。
この新しい物を発見する作業、めっちゃ楽しいです!
余談ですが、同じような探検ゲームに「ジ・アトラス」があります。
こちらは貿易でお金を稼ぎながら、船で「未知の大陸」を発見するゲーム。中世ヨーロッパという時代背景も含め、独特の世界観がまた楽しい!
▲ ジ・アトラスの一部を紹介。めっちゃ楽しいゲームです!
はじめての仲間
その後も順調に探検を続け、様々なものを発見!
しかし、まったく人との出会いがない。
▼ 「確認」をみる限りでは、最高6人のメンバーが集まる感じなんだが……
……いくらシルエットとはいえ手抜きすぎ。
私でも即座に作れるぞ!
作成1分。
そんなことをしていると、それは突然に見つかった!
あっ……。
なんだ!? 何かいるっ!!
奇しくも、画面上の私(主人公)も同じことを言いました。
「あわわわ……姿を見せろ!」
主人公も気が動顛。そして次の瞬間……
うわあああああ!!!
なんだこのオッサン!!
自分から「教授と呼んでくれ」って言った!!
やべーやつだったらどうしよう?
……と案じている間に、主人公と教授の間では話がまとまっていました。
上杉鷹山の名言を持ち出して、手を取り合おうという教授。
本当に手を取り合っている場面は想像したくない。
「調査」をしよう!
今まではずっと一人だったので、現地調査したくても出来ない状態だった。

無人島なのに「一人では危険です」って言われても!
というわけで、教授は待ちに待った仲間なのである。
仲間はメインキャンプに待機するようになり、その時々に応じた意見を聞くこともできる。余談だが、このメインキャンプの曲けっこうお気に入り。めっちゃ爽やかな風が吹いてきそうな感じ。
では、さっそく教授と調査に行くぞ!
白い箇所は調査可能。
黒い箇所は調査済みなので、二度と調査できない。
それゆえ、例えば「バナナの木」を見つけても、一度調査してしまったら食料調達できないことになる。これは主人公のみならず、プレイヤーの(クリアに至る)ライフラインでもあるので意外と頭を使うゲームだ。
今回はこの場所を調査。
なにが見つかるのかドキドキする……!
……翌日。
おっ、のこぎり発見!
……しかし、のこぎりがアイテムとして入手できるということは、やはり小屋を建てた時にはなかったようだ。
主人公は超人か?
こんな感じで「調査」を行い、何らかのアイテムを手に入れていくことになる。
2人目の仲間
教授はメインキャンプから見て北東にいた。ということは、別の方角を探した方が仲間も増えるのでは?
そんなわけで、今度は西の方へ探検を進める。
すると……
いたっ、女の子!
教授が「あやしい影」だったのに対して「女の子」!
これは教授の怪しさを物語っているのでは……。
ちなみに仲間が見つかると、自動的にイベントが開始される。
海岸に立つ女の子を見つけ、思わず声をあげる主人公。
ふりお「あ! あれは!」
教授「女の子じゃ!」
なんつー顔してんだ教授。
教授発見時は主人公のみだったが、今回の仲間遭遇イベントには教授も加わる模様。
そう……このゲーム、誰と誰をペアにするかで微妙に会話が変化するようになっているのだ!芸が細かい!!
主人公が呼びかけると、女の子はこちらにやって来た。
あれっ、ほんとに女の子だ。
上の海辺に立ってる姿は高校生くらいに見えたんだが。
事情を聞くと、どうやら母親と一緒に海外に住む父の元に行くところだったそう。
母親を心配する女の子に、教授が「大丈夫じゃ!今ごろは助かってるじゃろうて」と、何の根拠もない励ましの言葉を投げかける。
「……うん、そうだね!」
そんな言葉でも、女の子は元気を取り戻したらしい。
綾瀬鈴音、たまに綾音と名前を間違えてしまう少女が仲間になった!
しかも主人公は無視され、教授と鈴音のあいだで会話が進んでしまった!
教授は小屋づくりもしてないだろ!?
だが、鈴音が可愛いから許す。
おっさんがもう1人現れたらむさくるしくなるところだった。
鈴音が加わったので、メインキャンプも明るくなった。
まだまだ物語は序盤。
はたしてこの島から脱出できる日は来るのだろうか?
▼ つづきはこちら

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